トランプ関税:米国依存はもう止めよ

マクロ経済

積極財政の貨幣観を解説する資料を作成しました

 本ブログでトランプ関税を取り上げるのは2度目である。これ自体は通商問題だが、同時に安全保障・外交問題でもある。だから石破政権が関税と外交・安保をいくら分離したくとも、おそらくできまい。米国が「親中国には市場を開放しない」と言っているようなものだからだ。

 石破政権は今のところ対米強硬路線?を採用しているようだが、強硬というよりはどうしていいかわからないのだろう。筆者は必ずしも対米強硬路線を否定しないが、だったらやるべきことが山ほどある。対中外交姿勢に関する国内的なコンセンサス形成、EUの取り込みを含めた通商戦略、食糧とエネルギーの確保、兵器の国内供給、憲法改正や核抑止力の議論、外貨準備の保有方針変更(ドル依存引き下げ)などだ。場当たり的な評論を繰り返すだけで、政策の長期ビジョンが皆無の石破政権にできるわけがないと思う。そういえば石破氏はアジア版NATOなどと言っていたが、インドのモディ首相に即座に否定されていた記憶がある。最近は発言自体しなくなった。

 米国と対立するのであれば、経済成長をどう確保するかも第一級に重要な問題となる。日本は長く世界第2位の経済大国だったわけだから、そもそも、緊縮財政を続けながら経済成長のエンジンを米国市場に求めること自体が大間違いだ。米国に何か言われたくないならば、国内経済が主導する形で経済成長を実現しなければならない。それにもかかわらず、また世界第2位・500兆円超の対外純債権を持ちながら、「おカネがない」と緊縮政策を繰り返してきたのが自民党なのである。財政規律を叫びながら、国家財政も社会保険財政もかえって悪化させてきたのは滑稽極まりない。

 世界中を見渡してみて、30年近くも実質賃金が減少傾向にある国が他に1つでもあるのだろうか?あるというならば是非教えて欲しい。日本以外の全世界で実現できているわけだから、実質賃金を引き上げ、国民生活を豊かにすることなどさほど難しくないという事実が、如実に示されていると思う。マクロ経済運営を妥当なものにする、ただそれだけである。

 ちなみに、トランプ関税の発動によって、日本のGDPには1%程度の下押し圧力が働くとの見方が多いようである。日本の名目GDPは600兆円、実質と名目の違いはあるにせよ、ざっくりと1%ならば6兆円だ。500兆円の対外純債権をもつどころか、2024年の単年度の経常収支黒字だけでも30兆円を超える日本にとり本来、6兆円など全く取るに足らない金額で、経済対策を大規模にやればいいというだけの話である。日本ほどの国力があれば、外国経済の動向で景気が左右される必要がそもそもないというのが筆者の見解だ。

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