実質賃金の予測を見誤った日本銀行、それよりも酷い自公政権

マクロ経済

積極財政の貨幣観を解説する資料を作成しました

 3月の実質賃金は、現金給与総額で前年比▲2.1%、趨勢を表す「きまって支給する給与」ベースで▲3.0%と、いずれも3カ月連続で減少した。きまって支給する給与では、2024年10月の▲0.3%から5カ月も連続で悪化しており、家計は苦境に直面している。そもそも実質化する以前に名目賃金が惨憺たる状況で、きまって支給する給与は季節調整値で3カ月連続の減少だ。
 1~3月期の実質GDP成長率はマイナスであったが、それよりもこっちのデータの方が重要だ。2024年春闘の頃日本銀行は、金融を引き締めるに際しあれほど賃金を気にかけていたはずなのに、これはいったいどういうことか。実質賃金上昇率が5カ月も連続で悪化してマイナス幅を拡大しているのに、なぜ1月に利上げをしたのか。おそらく日本銀行は、賃金見通しを見誤ったものと推測される。
 利上げというのは、実物経済面から見ればおカネを借りるあらゆる需要を減らし、別のブログで書いた通りおカネの面でみれば市中のおカネを減らす行為であり、結果的に景気を冷やそうというものだ。コストプッシュインフレへの対応としては0点である。金融政策については、2024年には「早期に正常化を」「利上げするのが当たり前」といった論調が、市場関係者から経済金融評論家、エコノミストまで広く浸透していたが、筆者はこうした見方は間違いだと考える。この点については別の機会で論じられればと思う。
 今は実質賃金の上昇に全力を傾けるべき局面なのに、日本銀行のインフレ警戒感は度を越している。私は日本銀行についてはそれほど批判してこなかったが、これからは厳しく指弾したいと思う。

 それ以上に情けないのが自公政権である。別のブログで書いたとおり、本来は政府が経済の現状分析と望ましい物価上昇率を改めて示し、日本銀行と認識を共有し、その上で手段は日本銀行に任せるというスタンスをとるべきだ。そして金融政策に過度の負担をかけないために、政府自らも実質賃金上昇に向け積極財政に転換しなければならない。既にデフレ状態ではないのに、CPI上昇率が2%に収まりさえすればいい、なんていう態度を続けているから日本銀行は平気で利上げしてくるのだ。CPI上昇率から実質賃金上昇率に目標を切り替えることも含め、政策を練り直すべきである。それができない現政権ならば、早く交代してもらいたい。

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