子ども・子育て支援金制度として、2026年度から、健康保険など医療保険の保険料引き上げという事実上の増税が始まる。社会保険料の引き上げであって増税ではない、などと言う主張はまやかしに過ぎず、国民にとっては同じことである。
この制度を導入した時の岸田氏の言い訳が酷いもので、賃上げがあるので実質的な負担はゼロだという詭弁を最後まで弄していた。名目賃金上昇は、コストプッシュインフレを受け企業経営者と労働者が合意して実現したものと解釈すべきであり、経済成長にプラスになることをろくにしていない岸田氏・自公政権がそれを横取りしようなどというのは論外だ。しかも、岸田政権誕生の翌年以降、実質賃金は3年連続で低下しているのが実態であり、何をかいわんやだ。岸田氏は2025年5月25日の講演会で、「税制を変えて手取りを増やすよりも、賃上げによって手取りを増やすことが本筋だ」と発言したと報じられているが、名目と実質の違いを全く分かってないようにしか見えない。名目賃金が増えたことがご自身の実績と思っているのだろうが、実質賃金を減らして国民生活を困窮させたのが岸田政権だ。この人に賃上げを語る資格なんか微塵もない。
さて子育て支援だが、筆者はあらゆる追加的な増税・社会保険料の引き上げはやるべきではなく、財源は国債発行によるべきだと考えている。ここではこの理由を説明したい。なお以下では、「税金」には社会保険料を含むものとする。
(1)積極財政派の立場で考える
長期であれ短期であれ、経済にとりプラスだと判断するならば、堂々と国債を発行すれば良い。これは積極財政と同じ話で、筆者の考えでは経常収支が黒字かつ対外純資産がプラスの状態で、国債発行を躊躇すべき理由など微塵もない。物価上昇下で国民生活は困窮していることを合わせて考えれば、増税など論外である。
(2)財政規律派の立場で考える
財政規律派の考え方に立脚するならば、この制度により増える子どもが将来納める「税金」総額(の割引現在価値、わからない人は無視可)が、子ども・子育て支援制度に要する費用を上回らなければならない。下回るのであれば、そもそもやるなという話になるからだ。
増える子供が将来納める「税金」総額>子ども・子育て支援制度に要する費用
つまり儲かるわけだから、国債発行で資金調達しても全く問題ない、将来世代へのツケ先送りではない、という結論にしかならない。繰り返すが、この式が成立しないなら、そもそも最初からやるなということだ。それを岸田氏・自公は、現役世代のおカネを削り取って費用を賄おうとしているが、こういうことの繰り返しが経済低迷を長期化させ、かえって少子化を促進しているのだ。
これは重要なポイントで、国防もそうだが、こういう長期的な話には国債による資金調達がそもそも向いている。将来世代も、あるいはむしろ将来世代の方が受益者だからだ。逆に年金生活者にとっては、子どもが働き始める20年先の利益のために負担を強いられることになり、非常に問題だ。年金制度の改悪が続いていることも相まって、わが国における将来不安をいっそう高めている。年金生活者が受益者でないことは明らかで、高齢者を愚弄するものだ。高齢者はもっと自公に怒っていいはずだ。
この岸田増税は是非撤回させて欲しい。これを公約にしている政党があるのかは知らないが、今回の参議院選挙では全然話題にもなってないのは残念だ。

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