「国債発行は借金でありいずれは返さなければならない」、未だこういう論調は非常に多い。誰がどう言ったかはいちいち論わないが、オールドメディアは金利が上がった、財政不安だと大騒ぎしている。この偏向報道ぶりは本当に酷いと思う。一見「まともな経済専門メディア」を装っている日本経済新聞と東洋経済は特に悪質だ。これらの影響力は随分低下したように感じるが、東洋経済の某記事のヤフコメを見ているとまだまだオールドメディアに影響を受ける人は多いのだと感じ、このブログを書こうと思った次第である。
国債発行は、経済の実態に合わせたおカネの供給であり、これを十分に行わなければ需要不足が長引く。日本は35年間、おカネの供給不足を続けていたから経済が低迷し続けているのだ。おカネ自体に物理的な価値はほぼなく、紙切れ(紙幣)であり、金属片(硬貨)であり、画面に表示されたただの数字(預金)に過ぎないわけで、国債を中央銀行に買わせれば政府はおカネを無制限に調達できる。国債発行残高自体が歳出を制約する要因になどなるわけがない。
事実、長期的に見て、自国通貨建ての債務を返している(減らしている)政府など世界に1つもないのだ(正確に言うとごく一部の特殊な例外はあるが)。とりわけ米英政府は驚くほどたくさんの債務を増やしている。日本政府だけが、いつ、どのような理由で返済しなければならないというのか?借り換えていくのが当然なのである。なお外貨建ての借金は別で、貸し手に返済を迫られれば返さなければならないが、日本は世界第2位の対外純債権国で外貨はじゃぶじゃぶであり全く心配の必要はない。

無論国債発行をやり過ぎた場合にはハイパーインフレになるので、増税でおカネを吸収することも可能だが、通常はそうしない。財政政策は臨機応変に変えられないからだ。例えば、消費税率引き上げの議論を始めてから実際に引き上げられるまでどれだけ時間がかかるか、下手すると数年単位の時間がかかる。このため、利上げが行われるのである。当ブログの読者は信用創造をきちんと理解しているだろうから、この論理をお分かりになるはずだ。
増税等が必要になるのは、例えば以下のようなケースだ。
・国民の健康増進、医療費引き下げのため、酒タバコ増税を行う
・貧富の格差縮小のため、金融増税を行う
・二酸化炭素の排出を減らすため、ガソリン増税を行う
・慢性的な医師不足のため、医療費窓口負担の引き上げを行う
某超有名経営者が、積極財政なんて言っている高市総理は経済をわかってない、いずれ大企業・富裕層増税をやらざるを得ないだろうという趣旨の発言をしていた。しかし政府はおカネを返済しないという前提に立てば、増税は必ずしも必要ない。高市政権は、大企業や富裕層のおカネを切り取るのではなく、まずは積極財政により庶民の所得を底上げすることを狙っているのだと思う。つまり実質賃金の引き上げである。
この積極財政による庶民の所得底上げの議論と、大企業・富裕層の税負担が軽すぎるというのは別の議論だ。別の議論なのだから、実質賃金が上がり始めてから改めて考えれば良い。実施しないという結論も十分にあり得る。


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