まだ確定ではないが、解散総選挙が2月8日に行われるようだ。高市総理自身は「責任ある積極財政の是非」を問うとしているらしい。保守系のYouTube番組を見ていると、各党が消費税率引き下げを言い出しており積極財政はたいして差がない、外国人問題や対中関係などが実態として主要論点になるとの見方を示していた。言わんとすることはわからなくもないが、この認識は非常に甘く、長期の視点が欠けていると言わざるを得ない。本心から消費税率を引き下げたいと思っているか、そうでないかということだ。岸田総理誕生のような悪夢を決して繰り返してはならない。経済が長期的に強くならなければ、外交も安全保障も強くはなれない。
一見差が小さい積極財政へのスタンスだが、以下のとおり5分類してみた。下に行くほど増税志向・社会保険改悪志向が強い。なおここでは、あくまで積極財政の財源についての考え方だけを切り取って公平に評価しており、その他の政策についての評価は無関係である。
1.政府はいくらでもおカネを作れるという論理を理解している一派
MMT派をはじめとする考え方である。玉木代表がコンソール債(別の機会に説明したい)の発行をかつて主張していたことを考えれば、国民民主党はここに入るだろう。ただし玉木代表が、MMTの考え方に理解を示したり、おカネはいくらでも作れると口に出すことはない。こういうことを言うと激しいアレルギー反応を起こす人たち(MMTを打ち出の小槌理論だと誤解している人や、信用創造を理解できない人)が結構多いからだ。まあ、無用な論争を避けるためにもそれでいいと思う。
他に党全体としてここに分類されるのは、参政党とれいわ新選組だろう。自民党の西田昌司氏らの勢力、立憲民主党の原口一博氏らの勢力もここだ。日本保守党はよくわからないが、とりあえずここに分類したい。全面的に賛成しているかはさておき、高市総理も当然この論理を知っているはずである。
筆者も無論ここに分類され、最強硬派を自認している。そして、内容なんか何でもいいから、とりあえず経常収支が赤字になるまで財政のアクセルを踏めと主張している。
2.会計面から分析すると財政出動余力はまだあると考える一派
高橋洋一氏や朝香豊らのアプローチをここに分類したい(会計論を用いたアプローチが似ているというだけで、両者の意見が同じだと言っているわけではない)。過激な要素が薄いので、自民、立民の積極財政派の多くはここに入るのだろうし、「1.」と「2.」にまたがる人もいると思う。MMTを打ち出の小槌理論だと思っている有権者にも、こちらは理解されやすいだろう。
筆者は本心ではこの人たちの考え方に賛成ではないが、今は積極財政派同士で反目すべきではないと思っている。積極財政という結論が導かれるならば良しとしなければならない。また実際、彼らの発想は参考になることが多い。
3.積極財政の財源は大企業・富裕層増税で賄うべきと考える一派
共産党や社民党が典型的である。筆者は今のところ財源は国債発行が妥当と考えているため、この考え方には立脚しないが、必ずしも間違った意見ではないと考えている。消費税率引き下げに賛成してくれるのであれば、一定の増税も容認できるのではないか。
4.一時的な景気対策として消費税率引き下げを容認する一派
実質賃金が下がっているうえ、世論の圧力が大きいので、しぶしぶ消費税率引き下げを主張している人たちである。本心では財政破綻を警戒している。公明党と日本維新の会は明らかにここだ。立憲民主党の大部分もここに入るだろう。
残念ながら、有権者の大部分もここではないか?インフレ高進時まで消費税をとるなと思っているだけで、インフレが落ち着いてくれば財政規律を守るべきだと。いやそれ以前の問題として、消費税の減税財源として他の増税をしたり、あるいは他の歳出を削ったりしそうだ。そういう発想では、「失われた~年」に逆戻りすると筆者は考えている。
5.一時的な景気対策としてでも消費税率引き下げを容認しない一派
自民党の財政規律原理主義者たちだ。宮沢洋一氏が典型だが、岸田文雄氏、石破茂氏、森山裕氏らもここだろう。連合の主張もほぼここに当たるため、筆者は勤労者の敵と認定したわけである。
ただし高市総理が消費税率の引き下げを公約に掲げれば、この人たちも「4.」に移行することになるだろう。
言うまでもなく「5.」は論外で、こういう人たちはなるべく選挙で落とすべきだ。高市政権後に財政規律原理主義者たちがのさばる機会を与えてはならない。彼らが落選して自民党が勝利できなくとも仕方なし、国民民主党か参政党と連立を組んで欲しい。
さて問題は「4.」だ。この人たちはインフレが鎮静化すれば、「5.」の人たちと結託し、不必要な増税と社会保険改悪を間違いなく主張し始めるだろう。
連合が「5.」である以上、立憲民主党の本来の立ち位置も「5.」である。世論の動向をみて、不本意ながら消費税率の引き下げを主張しているだけだ。もしそうでないというなら、なぜ国民がインフレに苦しむさなかの2024年、過去2度の消費税率引き上げを主導した野田佳彦氏を党首に選んだのか?筆者はこの事実に非常に強い不快感を覚える。党首選候補者だった吉田晴美氏は、当初から消費税率の引き下げを主張していたのである。
公明党は、自民党との長い連立政権の間に低所得層向けの給付金を主張するばかりで、真剣に減税を呼びかけたことなど一度でもあったのだろうか?中間層にどれだけの配慮をしたと言うのか?それどころか、積極財政の高市政権が誕生したら逆に連立から出て行ったではないか。こんな政党を信用しろというのは無理がある。
筆者は、両党の合流で誕生するという中道改革連合を全く信用していない。このような政党を勝たせてはならないと思う。
維新も今のままでは支持できない。高市政権との連立政権を組む中で考えを改めて欲しいと思う。

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